遺伝性乳がんについて

大分県立病院ニュース

2019年06月25日

 乳がんになった人のほとんどは食生活や生活環境などの多くの原因が関係して発症していると言われています。一方、乳がんになった人の中の5~10%は遺伝的に乳がんを発症しやすい体質をもともと持っていると考えられ、これを遺伝性乳がんと呼んでいます。

 遺伝性乳がんに関係のある遺伝子はいくつか発見されていますが、よく知られたものとしてBRCA遺伝子があります。この遺伝子に傷がついていると、そうでない人と比べて一生涯中に5~6倍乳がんを発症しやすくなるといわれています。この遺伝子異常がみつかった米国女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが乳がんを発症する前に手術をしたという話は耳に新しいと思います。

 遺伝子異常を事前に知ることは人によっては良いニュースになるとは限りませんが、検診に積極的に参加することで早期発見につながることにもなります。ただし、我が国では健康な方がこの遺伝子に異常がないかを現在調べることはできません。そこで以下の条件をみたす方は特に積極的な乳がん検診への参加をおすすめします。

  • 親、子、姉妹の中に乳がん患者さんがいる女性。
  • 祖母、孫、おば、姪に乳がん患者さんがいる女性。
  • 若い年齢(おおよそ50歳未満)で乳がんになった近親者(親、子、姉妹、祖母、孫、おば、姪)を持つ女性。
  • 両側の乳房とも乳がんになった近親者(上記)をもつ女性。
  • 近親者(父、祖父、子、兄弟、おじ)に男性乳がんの患者さんがいる女性。
  • 親、子、姉妹の中に乳がん患者さんがいる女性。
  • 祖母、孫、おば、姪に乳がん患者さんがいる女性。
  • 若い年齢(おおよそ50歳未満)で乳がんになった近親者(親、子、姉妹、祖母、孫、おば、姪)を持つ女性。
  • 両側の乳房とも乳がんになった近親者(上記)をもつ女性。
  • 近親者(父、祖父、子、兄弟、おじ)に男性乳がんの患者さんがいる女性。

(乳腺外科 副部長 増野浩二郎)

※掲載内容の詳細は各科外来・各病棟でお尋ねください。

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