アトピー性皮膚炎に対する新規治療薬

大分県立病院ニュース

2019年09月24日

 アトピー性皮膚炎とは、「増悪・寛解を繰り返す、掻痒(そうよう)のある湿疹病変を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています。

 アトピー性皮膚炎とは、「増悪・寛解を繰り返す、掻痒(そうよう)のある湿疹病変を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています。

 もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる、皮膚の炎症を伴う病気と考えられています。
 定義にあるように"反復性の"湿疹を認めますが、一般的に成人では6ヶ月以上(乳幼児では2ヶ月以上)続くと慢性と判断します。家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、 結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、または 複数の疾患)が認められ、患者さんの血清中にIgEというアレルギーに関する抗体が高頻度に認められています。

 近年アトピー性皮膚炎の病態形成メカニズムがより詳細に解明されてきておりますが、その中でも病態の一つに関与しているといわれているのがTh2サイトカインです。これは免疫のシーソーのバランスが均衡を保たれずに片方に偏っていることを意味します。このためTh2型細胞より産生されるインターロイキン4,13という物質が増えその結果、炎症が悪化したり、かゆみも引き起こしたりすると考えられています(図①)。

 もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる、皮膚の炎症を伴う病気と考えられています。
 定義にあるように“反復性の”湿疹を認めますが、一般的に成人では6ヶ月以上(乳幼児では2ヶ月以上)続くと慢性と判断します。家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、 結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、または 複数の疾患)が認められ、患者さんの血清中にIgEというアレルギーに関する抗体が高頻度に認められています。

 近年アトピー性皮膚炎の病態形成メカニズムがより詳細に解明されてきておりますが、その中でも病態の一つに関与しているといわれているのがTh2サイトカインです。これは免疫のシーソーのバランスが均衡を保たれずに片方に偏っていることを意味します。このためTh2型細胞より産生されるインターロイキン4、13という物質が増えその結果、炎症が悪化したり、かゆみも引き起こしたりすると考えられています(図①)。

 今回新しい治療法として2018年4月に登場したのがデュピルマブ(商品名デュピクセント®)という薬剤です(図②)。先ほど述べたインターロイキン4とインターロイキン13を直接抑える薬剤です。アトピー性皮膚炎の治療の中心であるステロイド外用薬や抗アレルギー剤内服といった薬物治療、増悪因子の除去、スキンケアを行いつつこの新規治療薬であるデュピルマブを追加することで高い効果を期待できます。

 今回新しい治療法として2018年4月に登場したのがデュピルマブ(商品名デュピクセント®)という薬剤です(図②)。先ほど述べたインターロイキン4とインターロイキン13を直接抑える薬剤です。アトピー性皮膚炎の治療の中心であるステロイド外用薬や抗アレルギー剤内服といった薬物治療、増悪因子の除去、スキンケアを行いつつこの新規治療薬であるデュピルマブを追加することで高い効果を期待できます。

 適応基準の概要としては既存治療を一定期間施行しても十分な効果が得られておらず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶアトピー性皮膚炎の患者さんです。
 デュピルマブ初回に2本(600mg)皮下注射を行い、以後2週間おきに1本(300mg)を投与します。また使用効果が認められれば自己注射によって患者さんご自身で注射を行うことで、ご自身の生活スタイルに合わせて治療を行っていくことも可能です。
 ただし前述しているようにこの治療はアトピー性皮膚炎に対する治療法です。正しい診断のもとで使用する必要があります。また既存治療に比較して高額治療ともなるため、ご不明な点等あれば皮膚科外来へお問い合わせください。

 適応基準の概要としては既存治療を一定期間施行しても十分な効果が得られておらず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶアトピー性皮膚炎の患者さんです。
 デュピルマブ初回に2本(600mg)皮下注射を行い、以後2週間おきに1本(300mg)を投与します。また使用効果が認められれば自己注射によって患者さんご自身で注射を行うことで、ご自身の生活スタイルに合わせて治療を行っていくことも可能です。
 ただし前述しているようにこの治療はアトピー性皮膚炎に対する治療法です。正しい診断のもとで使用する必要があります。また既存治療に比較して高額治療ともなるため、ご不明な点等あれば皮膚科外来へお問い合わせください。

(皮膚科 部長 島田  浩光)

※掲載内容の詳細は各科外来・各病棟でお尋ねください。

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