いろいろな採血管がある理由

大分県立病院ニュース

2023年09月26日

 病院で採血する際に、様々な種類の試験管(採血管)を見かけることと思います。長いもの、短いもの、キャップが紫だったり、黒だったり、と多種多様です。採血管には検査の目的に応じた試薬をあらかじめ加えるので、検査項目が多くなると、複数の採血管を組み合わせて使用することになります。当院の代表的な採血管をキャップの色でご紹介します。

 紫の採血管 

 白血球の数や赤血球の数、濃さなどを調べます。細胞の数を数えるために、血液が固まらないような試薬(抗凝固剤)を内面に塗布してあります。

 灰色の採血管 

 血糖とHbA1cの測定に使います。採血してから測定するまでの間に、血糖は少しずつ低下していきます。これは生きている血球が血糖を消費するためです。この血糖低下を防ぐための粉状の試薬を採血管の中に入れてあります。

 青色の採血管 

 血液は細胞成分である血球と液体成分である血漿に分けられます。肝機能や腎機能、コレステロール、尿酸などの多くの検査項目は、この液体成分を使って測定します。そのためには、まず血液を凝固させ、塊になった血球を除去する必要があります。採血して30分間ほど経てば自然と凝固しますが、検査結果を1分でも早く出すために、凝固促進剤を内面に塗布したものを使っています。


 1本の採血管ですべての検査ができるといいのですが、どうしてもたくさんの種類の採血管を使い分けることになり、本数も多くなってしまいます。キャップの色はスタッフが容易に見分けられために付けられていますが、同じ採血管でも病院によって色が異なることがあります。


 

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