傷の目立たない鼠径(そけい)ヘルニア手術〜腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術〜
大分県立病院ニュース
2019年10月25日
当院の小児外科では、およそ10年前から腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を導入しています。2019年8月末までで900症例の手術を行いました。通常よりも傷を小さくするため、3mmカメラと2mmの鉗子(マジックハンド)を使用して手術を行っています。
鼠径ヘルニアは胎児期にできる鼠径部の袋に腸や脂肪のヒダが入って鼠径部が膨れる疾患で、小児外科で行う手術の中で最も頻度が高い手術になります。
腹腔鏡手術が登場する以前の鼠径ヘルニア手術では、鼠径部を切開して手術を行うのが普通でした。当科では2007年より段階的に腹腔鏡手術への切り替えを開始し、現在ではほとんどの鼠径ヘルニア手術を腹腔鏡で行っています。腹腔鏡手術を行うことにより、より小さい、目立たない傷で手術を行うことができます。特に当院の小児外科では、腹腔鏡に3mm、操作鉗子に2mm径の極細径内視鏡装置を用いることにより、一般的な他院の小児外科よりもさらに小さい傷で手術を行うことが可能となっています。
これからもより安全で確実な手術を目指して診療を続けていきたいと思います。
(小児外科 部長 江角元史郎)
※掲載内容の詳細は各科外来・各病棟でお尋ねください。