超音波内視鏡による検査

大分県立病院ニュース

2020年07月29日

 超音波内視鏡(Endoscopic ultrasonography:EUS)は超音波装置を伴う内視鏡のことで、消化管(食道・胃・十二指腸・大腸など)から超音波検査を行います。体の表面から行う通常の超音波検査とは異なり、胃・腸の中の空気や体の表面近くの脂肪、骨などの影響を受けにくく、超音波検査の特徴である高い分解能を活かし、目的とする臓器の画像評価が行えます。
 当院では2015年に専用スコープ(オリンパス社:GIF-UCT260)を導入し、主に膵臓・胆管・胆嚢、胃粘膜下腫瘍などの検査に使用しています。

 近年、膵臓・胆道領域の悪性腫瘍は増加傾向にあります。しかしこの領域の悪性腫瘍は症状が出にくいこともあり、CTやMRIなどの検査を受けた際、偶然に異常を指摘されることがあります。超音波内視鏡検査の特徴として、超音波内視鏡下吸引生検法(EUS-FNA:EUS-guided fine needle aspiration)を行うこともできます。良悪性の判断がつきにくい場合もしばしば存在するため、EUS-FNAで病理学的な評価を行うことで、より正確な診断を行うことができます。

 当院での超音波内視鏡検査は年々増え続け、2019年は超音波内視鏡検査が244件、EUS-FNAが35件でした。当院で行う超音波内視鏡検査について興味がある方は消化器内科外来までお尋ねください。

(消化器内科 主任医師 岩津伸一)

※掲載内容の詳細は各科外来・各病棟でお尋ねください。

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