自己血輸血について
大分県立病院ニュース
2022年01月31日
手術には出血のリスクが伴いますが、必要に応じて輸血を実施することで、安全な手術を行うことの一助となっています。
手術中の輸血には同種血輸血と自己血輸血があります。同種血輸血とは献血者の血液から作られた血液製剤を輸血する方法のことをいい、自己血輸血とは自分の血液を主に手術前に保存し、手術時に輸血する方法となります。
自己血輸血は自分自身の血液を輸血するため、同種血輸血と比較して輸血副反応を起こす可能性が低くなり、安全性がより高まります。
自己血輸血の方法には、貯血式、希釈式、回収式の三種類があり、一般的に自己血輸血といえば貯血式を指しており、当院においても心臓血管外科、整形外科などの待機的手術で用いられています。
貯血式は、手術日までに患者さん自身の血液を計画的に採血し、輸血部内の専用保冷庫に保存し、手術時に輸血を実施する方法です。
自己血輸血の適応には一定の条件(貯血期間、貧血が無いなど)があり、患者さん一人一人の状態も異なりますので、全ての方に適応するとは限りません。
(輸血部 部長 宮﨑 泰彦)