入院生活が安心・安全に送れるための取り組み ~ラピッドレスポンスチーム(RRT)の紹介~
大分県立病院ニュース
2023年01月31日
大分県立病院では、患者さんの入院生活をより安心・安全にする取り組みとしてラピッドレスポンスチーム(RRT)を運用しています。
当院は県の中核的な役割をもつ急性期病院であり、各診療科に様々な疾患の患者さんが入院されています。良い経過であることを誰もが望むところですが、入院の契機となった疾患が予想以上に急速に悪化するということがあります。また、患者さんの中には動脈硬化や免疫不全などのリスクをもった方も多く、時には重篤な感染症や心血管疾患・気道のトラブル等、入院の契機となった疾患以外の要因で急速な病態悪化を示しそれが生命に関わる場合もあります。
そのような患者さんの急変の徴候を、呼吸や意識循環のサインの変化から早期にとらえ早期に介入してさらなる悪化を防ごうと活動するのがRRTです。RRTは救命救急センター及び集中治療室(ICU)の医師、看護師で構成されており、病棟からチームにコ ールがかかれば早急にかけつけ、主治医とチーム一緒になって診療にあたり、さらなる状態の悪化を防ぎます。主治医だけでなく、院内全体で患者さんの状態悪化に対応していこうという医療安全を目的とした取り組みです。
また、このチームの活動を通じて収集した情報については、個々の症例においての改善点を検討したり、医療安全管理室と連携して個人が特定できないよう匿名化した上で院内スタッフの教育や研修のために活用します。そして病院全体で医療や看護の質、医療安全の質を高めていくという循環を作っていきたいと考えております。
入院生活は患者さんやご家族にとって不安なことも多いと思いますが、このようなチームも一緒になって皆さんの入院生活を支えていきます。
(救命救急センター 副部長 塩穴恵理子)