帯状疱疹について
大分県立病院ニュース
2023年07月28日
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘(みずぼうそう)と同じ水痘・帯状疱疹ウイルスでおこる皮膚の病気です。水痘が治った後に体内の神経節に潜伏して感染しているウイルスが過労(ストレス)や老化、免疫抑制などをきっかけに再活性化することで発症します。
■帯状疱疹の症状・合併症
体、顔、手足などのどこにでも生じます。左右どちらかの神経領域に沿って、皮膚に赤色の発疹と多数の疱疹(水ぶくれ)が帯状にみられます。発疹が出現する数日前から神経痛やぴりぴりとした知覚異常を伴うことがあります(写真)。
痛みには、このような急性期の痛みと、発疹が消失したあとに続く帯状疱疹後神経痛があり、治りにくい場合があります。
典型的な発疹に加えて、全身に小さい水ぶくれが出現することがあり、汎発性(はんぱつせい)帯状疱疹と呼びます。感染力が強いため、入院中は個室管理が必要です。
合併症には、髄膜炎、発疹のでている領域によっては眼症状、顔面神経麻痺、膀胱直腸障害などがあり、注意が必要です。
■帯状疱疹の診断
特徴的な発疹の分布と、水疱部からの顕微鏡検査やウイルス抗原検査などで診断します。
■帯状疱疹の治療
早期の抗ウイルス薬投与を行います。抗ウイルス薬はウイルスの増殖を抑える効果があり、内服と点滴があります。重症な方は入院のうえ、安静と点滴治療を行います。入院期間はおよそ1週間です。
また、急性期の疼痛を緩和することも重要で、症状に応じて鎮痛剤を用います。
合併症についても、症状に応じて専門科と連携して治療を行います。
(皮膚科 副部長 生野知子)