出生前検査を知っていますか?
大分県立病院ニュース
2023年10月30日
生まれてくる赤ちゃんに何らかの変化(病気)がある割合は、妊娠中または出生後にわかる両方を合わせて3-5%と言われています。
妊娠中におなかの中の赤ちゃんに変化があるかどうかを調べることを出生前検査と言います。
今では妊婦健診で普通に行われているエコー検査も出生前検査の一つです。しかし、一般的なエコー検査は赤ちゃんの成長の確認が目的であり、出生前診断として行う胎児超音波検査は時間をかけて赤ちゃんの形(頭、骨、内臓の形等)を確認していく必要があり、全く別の検査と考えられます。
赤ちゃんの生まれつきの病気にはたくさんの種類があり、大人と同じで病気になる原因も様々です。身体の形の情報の地図のような役割を果たす染色体や遺伝子の問題のように、赤ちゃんがもともと原因を持っている病気もあります。また原因がはっきりせず、いろいろな複数の要因が複雑に絡み合って起きる病因も少なくありません。
ほとんどの生まれつきの病気は、発生率と年齢の間に関係がないとされています。
その中で、21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体が3本ある病気は妊婦さんの年齢が上がると発生率が上がることが知られています。
当科では年齢の高い妊婦さんや胎児エコーで気になる所見がある妊婦さん、以前染色体変化のあるお子さんを妊娠されたことのある妊婦さんから採血を行い、その3つの染色体の変化の可能性が高いかを調べるNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)を行っています。事前に出生前検査についてのカウンセリングを必ず行いますので、ご希望される方はかかりつけ医の先生にご相談ください。
(第二産科 部長 後藤 清美)