切らない早期乳がん治療「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法」をはじめます

大分県立病院ニュース

2025年01月29日

 乳がん治療では通常皮膚を切って切除手術をおこなうことが多いのですが、手術のかわりとなる新しい治療が保険適応となり、当院でもおこなうことになります。簡単に説明すると、ラジオ波という高周波をもちいて腫瘍をゆであげる治療で、「ラジオ波焼灼療法」といいます。
 ラジオ波焼灼療法とは電極を腫瘍に刺して通電し、針先の周囲温度を上げることでがん細胞を死滅させる治療方法です。この治療法は2013年8月より臨床試験としておこなわれ、通常の切除手術と比較して5年間の治療効果は同等と認められ、2023年12月に保険承認となりました。
 この治療は手術をおこなう医師や施設が日本乳癌学会から認定されていることが必要で、当院でも今年2月より体制を整えておこなうことが可能となります。
 この治療のメリットとしては針を刺す治療なので、切除と比べ傷がめだたない、変形が少ない、入院期間の短縮などがありますが、デメリットとしてはサイズが大きな腫瘍だったり、病変が広い範囲にあったり、皮膚に近い場合にはおこなえません。また治療は全身麻酔でおこなう必要があります。
 この治療をおこなうには適応条件がありますので、希望があれば担当者にご相談ください。

(がんセンター乳腺外科 部長 増野 浩二郎)

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