PTEG(ピーテグ)~胃瘻(いろう)造設困難な患者さんに対する栄養管理法~

大分県立病院ニュース

2019年03月26日

 内視鏡科では胃カメラや大腸カメラを初めとした内視鏡検査、治療を中心に行っています。内視鏡以外にも、患者さんのメリットになる消化器内科的な治療手技にも積極的に取り組んでいます。そのうちの一つが今回紹介するPTEG(ピーテグ:経皮経食道胃管挿入術)です。

 種々の疾患で口から栄養を摂取することができなくなった患者さんの長期栄養管理法として、代表的なものにPEG(ペグ:経皮内視鏡的胃瘻造設術)があります(図1)。PEGは胃カメラを用いて患者さんの腹壁を経由し胃に栄養投与チューブを留置する方法で、患者さんの体の負担が少なくて済みます。しかし、胃を切除された方、腹水が貯留した方、解剖学的に胃の前面に他の臓器が存在する方などではPEGは不可能です。そういった患者さんには、これまで当院では外科的な胃瘻造設術か、鼻から胃まで挿入するチューブ(経鼻胃管)などで対処してきました。

 PTEGは内視鏡を使わず、レントゲン装置とエコーを用いて実施する手技です。患者さんの頸部から局所麻酔下に専用処置具で穿刺し、栄養カテーテルを留置します。PEGが不可能な患者さんに対する代替治療であり、身体への負担は比較的少なく、PEGと遜色ない治療効果が期待できます(図2~4)。

 今後さらに顕著となるであろう超高齢化社会においては、PEGだけでなくPTEGの活用が重要となることが想像されます。

(内視鏡科 副部長 小野英樹)

※掲載内容の詳細は各科外来・各病棟でお尋ねください。

この記事はお役に立ちましたか?

お問い合わせはこちら

気になるキーワードを入力してください。