コロナ禍における認知症の人とのコミュニケーション
大分県立病院ニュース
2021年10月29日
認知症の人は、親しい人がいること、慣れた環境で暮らせること、日常生活での役割があることなどが大切と言われています。今回は、新型コロナウィルス感染予防のための3密を避けながら心の距離を近くする工夫を紹介します。
マスク着用時のコミュニケーション
マスクを着用して話をすると、表情や口の動きがわからず声がこもって、言葉も聞き取りづらくなります。いつもより、大きめの声で、ゆっくり話すことを心がけましょう。言葉だけではなく、ジェスチャーも有効です。安心できるような顔の表情で、大きくうなずいたり、身ぶりや手ぶりを大きめに、動作を繰り返すと伝わりやすいです。
思い出を聞く
認知症の人は、今の出来事よりも昔のことを多く覚えています。昔の写真を見ながら、ご本人と話をしましょう。楽しい時間を過ごすきっかけになります。若い頃に流行っていた歌を一緒に聴くのもよいでしょう。今まで知らなかったその方の新たな一面を発見できるかもしれません。
手 紙
ご家族や親しい方からの心のこもった手紙は、普段は言葉にすることがない「大切な人です。」という温かな気持ちが文字を通じて伝わります。しかも手元に置いて読み返すことができます。入院中は励みになります。
現在、当院では新型コロナウィルスの感染を防ぐために、対面による面会を制限させて頂いています。そこでオンラインの通話システムを使って、家族との面会ができるようにしています。ご家族の方の顔を見たり声を聞いたりすることで元気になりますので、入院病棟の看護師長にお問い合わせください。詳しくは病院のホームページをご覧ください。)
(認知症看護認定看護師 佐藤 容子)