心臓血管外科における低侵襲手術(MICS)とロボット手術
大分県立病院ニュース
2021年11月30日
低侵襲心臓手術(MICS)
低侵襲心臓手術(MICS)とは術式にもよりますが、左右どちらかの胸を4-6cm程度切開し、この小さな傷口から細長いピンセットと鋏などを肋骨の隙間に通し、心臓にアプローチして修復を行う手術です。
MICSのメリットは回復の早さと術後の制約の少なさです。これも術式にもよりますが、約半数の方は術後5~7日で退院され、退院後1~2週間でお仕事に戻られることが多いようです。
一方、デメリットはその難易度の高さで、症例によってはMICSができない場合もあります。また、MICSは術者だけでなく、麻酔医・看護師・臨床工学技士などを含めた高度なチーム医療が求められます。
ロボット手術
ロボット手術はさらに侵襲が少なく、創部が3cm程度となり、3D画像で目の前に6倍近くに拡大された病変を見ながら、自分の手の動きを細やかにアームに伝え、手振れも防ぐことができます。この機械であれば米粒にもきれいな字が書けるほどです。骨に全く負担がかからず、術後疼痛も軽減され、かつ精密な手術が可能となります。
2018年4月1日より僧帽弁形成術、三尖弁形成術に対して健康保険が適用(限度額認定証の使用が可能)になりました。
現在、当院でもこれらの最先端の心臓手術に向けて準備を行っているところです。
(心臓血管外科 部長 山田 卓史)