輸血用血液製剤について

大分県立病院ニュース

2024年03月28日

 血液は放置すると写真のように3つの層に分かれ上層淡黄色、下層赤色、上層と下層の中間に薄い白濁色の中層が見られます。上層は血漿(けっしょう)といわれ9割は水分であり、タンパク質、ブドウ糖、脂質等が含まれ、中層は白血球、血小板の血球成分、下層は赤血球の血球成分から構成されます。

 献血者の血液から作られる輸血用血液製剤には主に赤血球から作られる赤血球製剤、血小板から作られる血小板製剤、血漿から作られる新鮮凍結血漿があります。赤血球製剤は出血等で、酸素を運ぶ役割の赤血球が足りない場合に使用します。赤血球の色が赤色であることから赤血球製剤は赤色を示しており、輸血というと本製剤を想像する方が多いのではないでしょうか。しかし、血小板、新鮮凍結血漿は赤色ではなく血漿成分の色である淡黄色になっています。

 血小板製剤は、血管が破れた際にその部分をふさぐ働きをする血小板を補充するために使用します。

 新鮮凍結血漿には血液を固める成分が含まれ、血小板とともに破れた血管を補強して出血を止める働きをします。この血液を固める成分が出血等で消費されて少なくなった場合に新鮮凍結血漿を使用します。

(輸血部 部長 宮﨑 泰彦)

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