がん薬物療法看護外来を開設しました
大分県立病院ニュース
2024年04月30日
がん薬物療法(抗がん剤治療)はがん治療の3本柱の一つです。治癒や延命、症状緩和などの効果が期待できる一方で、ひとによっては副作用症状も起きます。副作用症状の程度により生活に支障をきたしたり、生活の質(QOL)が低下したりするだけではなく、治療の継続にも影響を与えます。そのため、副作用症状が少しでも軽くなるように対処することが重要となります。
抗がん剤による副作用症状の中の一つに皮膚障害(皮疹や乾燥、皮むけ、皮膚のかゆみ、爪の周囲の炎症、皮膚の亀裂など)があります。皮膚障害は生活に与える影響が大きいだけではなく外見上の変化も伴うことがあるため、患者さんにとって苦痛な症状です。しかし、適切な時期に適切な皮膚のケアを行うことで、皮膚障害の出現を予防したり、症状の悪化を防ぐことに繋がったりすると言われています。そこで当院では2023年8月末に、抗がん剤治療を行う患者さんとご家族の方を対象に、皮膚のケア方法を学んで自宅で実践できるように支援するための「がん薬物療法看護外来」を開設しました。顔や体の洗い方、保湿剤の塗り方、皮膚障害を避けるための生活の工夫などを、看護師と一緒に実演しながら学んでいただきます。また、皮膚障害が出現した場合の手当の方法についても指導を行っています。
◇看護外来の対象となる方
皮膚障害が出やすい下記の抗がん剤を開始する患者さんとご家族の方
抗がん剤名(商品名) | |
内服薬 | イレッサ、タルセバ、ジオトリフ、タグリッソ、カペシタビン、ティーエスワン など |
注射薬 | アービタックス、ベクティビックス、ドセタキセル など |
*2024年3月時点では、呼吸器腫瘍内科と乳腺外科で治療を行っている方のみが対象です。
今後、対象となる診療科を拡大していく予定です。
◇看護外来の対応日
(がん化学療法看護認定看護師 東田 直子)