病院の医療安全の取り組みについて
大分県立病院ニュース
2024年05月31日
現在、全国の病院で医療事故の報告体制がとられています。事故には繋がらずヒヤッとした事例から残念ながら患者さまが亡くなった事例まで幅広く報告し、その対策を考え、改善につなげていこうとする努力が続けられています。
当院でも同様の報告体制をとっており、2023年には年間2,500件あまりが報告されました。患者さまには実害を及ぼさなかったレベル1,2が全体の7割を占めますが、大きな治療や処置を必要としたレベル3b以上の事例も48件あり、まだまだ見直すべき点が多々あると思われます。
発生内容では皮膚損傷や転倒・転落などの「療養上の世話・場面」、薬の飲み忘れなどの「処方・与薬」、点滴や尿の管が抜けてしまうなどの「ドレーン類の使用・管理」が当院の3大発生内容です。これらが起こった原因を分析し、機器の導入、マニュアルの改善等で業務の見直しを進め、患者さまが安心して医療を受けられる体制を目指していきます。また、患者さまと協働した医療事故防止も大切と言われています。診察時や注射などの処置時には、患者さまにお名前を名乗っていただいていますので、ご協力お願いします。
(副院長兼医療安全管理室 室長 飯田 浩一)