外来化学療法室における栄養についての支援
大分県立病院ニュース
2024年06月28日
がん化学療法は新薬が次々に登場して目覚ましい進歩を遂げています。また、副作用を軽減する薬剤も進歩しており、日常生活を送りながら外来でがん治療を安全に受けられるようになりました。当院の外来化学療法室はリクライニングチェアとベッドを合わせて20床、3つの診察室と2つの面談室を設置しており、専門的知識を持った看護師による支援をはじめ、がん薬物療法認定薬剤師による薬の説明や管理栄養士による栄養指導も行っています。
がん患者さんは、がんによる代謝異常や精神的ストレスにより体重減少を起こしやすいと言われています。また、抗がん剤治療中は吐き気や味覚異常などの副作用により食事が十分に摂れなくなり、栄養状態が悪化して体重減少、体力低下につながります。体重減少により筋肉量が減ると感染などの合併症を起こしやすく、がん治療の継続に影響を及ぼす可能性が高くなります。そのため栄養状態を良好に保つことはとても大切です。外来化学療法室では栄養についての支援として、看護師が吐き気などの副作用症状について確認し、医師、薬剤師に情報を伝え、症状を和らげる薬剤の処方など、その対処方法について検討します。また、症状別の食事の工夫に関するパンフレットを作成しており、管理栄養士からも患者さんの体調や嗜好に応じた栄養指導を受けられるようにしています。
治療中の食事に関する困りごとがあれば、外来化学療法室スタッフに気軽にご相談ください。
(外来化学療法室 室長 大塚英一、がん化学療法看護認定看護師 東田 直子)