40歳過ぎたら緑内障検診をおすすめします
大分県立病院ニュース
2020年12月25日
緑内障は我が国における失明原因の常に上位を占め、40歳以上の日本人における有病率は5.0%といわれています。緑内障は視野障害をきたす疾患ですが、初期には視野異常が自覚されないことが多く、自覚した場合はすでにかなり進行していることが多いです。現在のところ緑内障による視機能障害は回復することはないため早期発見・早期治療が大切です。緑内障では視神経乳頭の陥凹(へこみ)の拡大という所見をきたします。健康診断の眼底検査で最も多く指摘される異常が乳頭陥凹拡大、すなわち緑内障の疑いです。緑内障は眼圧検査、眼底検査、隅角検査、視野検査等から総合的に診断されます。
健診を契機に緑内障と診断された例を紹介します(右眼について呈示)。
64歳女性、健診で視神経乳頭異常を指摘され受診しました。矯正視力1.5、眼圧15mmHg、眼底検査で乳頭陥凹拡大、網膜神経線維層欠損等を認め(図1)、視野検査では鼻上側の視野異常がみられました(図2、3)。正常眼圧緑内障と診断し点眼治療を開始しました。
健診で異常を指摘された人に限らず、40歳以上の人は緑内障検診をおすすめします。
(文責 眼科部長 池辺徹)
※掲載内容の詳細は各科外来・各病棟でお尋ねください。