新生児科
注)診療科名は院内表示用です(標榜名とは異なります)
新生児科について
大分県立病院の新生児科は、県唯一の総合周産期母子医療センターとして、大分県で生まれてくる赤ちゃんのために24時間365日医療を提供しています。
病院内では、産科と密に連携し生まれてくる赤ちゃんに心配がある分娩には必ず立ち会い、治療が必要な赤ちゃんには生まれた直後から治療を開始します。
病院外では、開業産婦人科で生まれた赤ちゃんの具合が悪い時は、新生児科医が新生児専用救急車(カンガルー号)で迎えに行き、救急車内で治療を行いながら県立病院に搬送します。また、生まれる前に駆けつけてお産に立ち会い、生まれた直後から治療を開始することもあります。
特に力を入れているのが、ファミリーセンタードケアです。赤ちゃんは一人では生きていけません。必ず、家族と一緒の中で成長していきます。当科では赤ちゃんの入院中の治療だけでなく、その赤ちゃんが退院した後も元気に成長できるように、家族と一緒になって子育て支援を行っていきます。
大分県には生まれた新生児の治療を行うことが出来る施設が、当院、大分大学、アルメイダ病院、別府医療センター、中津市民病院の5施設しかありません。5施設が連携して大分県で出生する全ての赤ちゃんを守っていきます。大分県で入院する新生児の半数は、当院に入院しています。とくに、生まれた時の体重が1㎏ない小さい赤ちゃんの7割以上は県立病院で生まれます。当院が中心となって、大分県全体の周産期医療のレベルアップを目指しています。
診療分野
周産期医療体制の中で新生児に対する医療を担当しています。
大分県立病院産科で出産されるハイリスク妊婦への分娩立ち会い、引き続き出生後の新生児への治療を行います。
また、開業産婦人科で出生した病的新生児を新生児専用救急車のカンガルー号でお迎えに行き、大分県立病院まで搬送し、同様に治療を行います。
総合周産期母子医療センターとして、地域周産期母子医療センターから重症新生児の転院搬送を受け入れて、高度医療を提供しています。
診療体制
チーム医療を原則として院内で統一した治療方針が一貫され、診療が行われるように努力しています。
診療内容
24時間365日、先天異常や低出生体重児などの全ての病的新生児を受け入れています。
年間、大分県全域から350人弱の入院(県内で発生する病的新生児の約50%)があり、特に人工呼吸管理を要する重症の新生児は年間100人弱、また出生体重1500g未満の極低出生体重児は約50人に及んでいます。
病的新生児の入院依頼には速やかに対応しており、平成元年に配備した新生児専用救急車カンガルー号(年間約100回出動)、遠隔地へは県の防災ヘリコプターを使用して、機動的な搬送体制を確立しています。
当科外来では、主として新生児集中治療室(NICU)を退院した先天異常や低出生体重児、重症仮死児などのハイリスク児に対して、その発育発達を長期的にフォローアップするとともに、それぞれに必要な医学的サポートを小児科・小児外科など他の診療科とともに提供しています。
近年は、小児在宅医療にも積極的に関与し、在宅療養支援診療所、訪問看護ステーション、介護ステーション、療育施設との連携もとりながら、在宅医療を受けている児とその家族が安心して生活できるようにサポートしています。
当科外来では、生後数日の経過あるいは検査結果から何らかの異常や疾患を疑われて紹介される生後1ヶ月未満の新生児の診療にもあたっています。
例:新生児マス・スクリーニング検査での異常、B型肝炎キャリア母体児、心雑音、遷延性黄疸など
新生児科フロアマップ(総合周産期母子医療センター3階)
新生児病棟には、早く生まれたり、また呼吸が苦しかったりなどいろいろな理由で、生まれた時から治療を必要とする赤ちゃんが入院しています。病棟内は、新生児集中治療室(NICU)と新生児回復病棟の2つのユニットで構成されており、医師・看護師は24時間昼夜を問わず赤ちゃんの診断・治療・看護にあたっています。また、ご両親の不安や心配なお気持ちに寄り添い、ご家族が少しでも安心してお子さまの入院生活を見守ることができるようサポートさせて頂いています。
入院から退院までの流れ(治療・看護)
赤ちゃんは入院後、保育器の中で呼吸や心電図のモニターを付け、点滴などの治療を受けながら過ごします。全身状態が安定しミルクが飲めるようになったら、保育器から赤ちゃん用ベットに移り、退院に向け準備を進めていきます。全身状態が安定し、しっかりミルクを飲めて体重が増えていること、ご両親がお子さまの育児に慣れ、退院への準備が整ったタイミングで、お家に帰るようになります。
ディベロップメンタルケア
新生児病棟では、赤ちゃんの気持ちを大切にしたケアを行っています。ディベロップメンタルケアと言って、赤ちゃんの成長発達を促すことを目的に、できるだけお母さんのおなかの中の状況に近づくよう環境を整え、赤ちゃんにとって優しいケアを行うよう心がけています。赤ちゃんにとってご両親とのスキンシップは、たくさんの心地良い刺激を得られるとても大切な時間です。一緒にお子さまの成長を助けるケアを行っていきましょう。
ご家族の面会
新生児病棟では、感染面に十分注意しながらお子さまをお預かりしています。そのため、病棟内に入室して直接お子さまと面会できるのは、ご両親のみとさせていただいています。ご両親の面会時間は11時から22時となっています。祖父母の面会もできますので、スタッフにご相談下さい。
ご両親の育児練習
ご両親は、お子さまの状態に応じて、スタッフと一緒にできる育児参加を行っていきます。お子さまの全身状態が安定しましたら、退院に向け育児練習を進めていきます。沐浴や授乳練習などの基本的な育児技術から、それぞれのお子さまに必要な育児をご両親のペースに合わせて練習していきます。入院中でもご両親が主体でお子さまの育児ができるよう、育児スケジュールボードに計画を立てながら育児練習を進めていきます。
退院前は、自宅での育児をイメージできるよう《ファミリーケア室》という個室のお部屋で赤ちゃんとご両親だけで過ごすこともできます。ご両親がお子さまの育児に慣れ退院への自信がもてるよう、サポートさせていただきます。
育児練習が始まりましたら、「赤ちゃんの育児について」というパンフレットをご覧ください。赤ちゃんのお世話について、必要な哺乳量について、哺乳量の計算、困った時の対応など詳しく載せています。以下より閲覧が可能です。必要な方は、ご自身で印刷をしてご利用ください。
他職種の介入について
新生児病棟には、医師、看護師、ナースエイド、医療秘書の他に、臨床心理士、薬剤師、理学療法士、在宅支援コーディネーターなどのスタッフが、お子さまやご家族と関わらせていただいています。
新生児病棟卒業生の会(かるがも親子の会)
新生児病棟に入院したお子さまのご家族が交流を持つことで、育児不安の軽減や情報交換の場となっています。新生児病棟を卒業したすべての方を対象に、卒業生の会を年4回開催しています。七夕やクリスマスの行事に合わせたイベントや、ベビーマッサージなどの発達を促す会を行っています。 かるがも親子の会のご案内は、開催前月に病院ホームページに掲載しています。
診療実績
外来担当医表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
新患 ・ 再来 | 衛藤 恵理子 市地 さくら |
飯田 浩一 森鼻 栄治 |
赤石 睦美 森鼻 栄治 |
赤石 睦美 米本 大貴 |
飯田 浩一 米本 大貴 |
スタッフ紹介
総合周産期母子医療センター所長 飯田 浩一
- 日本小児科学会 代議員
- 日本小児科学会認定 小児科専門医
- 日本周産期・新生児医学会認定 暫定指導医・評議員、周産期(新生児)専門医
- 日本新生児育成医学会 評議員
- 日本小児神経学会 会員
- 新生児蘇生法インストラクター
部長(第一新生児科) 森鼻 栄治
- 日本小児科学会認定 小児科専門医・指導医
- 日本周産期・新生児医学会認定 周産期専門医(新生児)
- 日本小児循環器学会認定 小児循環器専門医・評議員
- 日本循環器学会認定 循環器専門医
- 日本胎児心臓病学会認定 胎児心エコー認定医・代議員
- 日本小児科学会認定 出生前コンサルト小児科医
- 日本小児心電学会 幹事
- 日本新生児成育医学会 会員
- 日本先天性心疾患インターベンション学会 会員
- 日本不整脈心電学会 会員
部長(第二新生児科) 赤石 睦美
- 日本小児科学会 小児科専門医
- 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医
- 日本未熟児新生児学会 会員
- 日本小児救急医学会 会員
- 日本小児神経学会 会員
- 新生児蘇生法インストラクター
副部長 米本 大貴
- 日本小児科学会認定 小児科専門医・指導医
- 新生児蘇生法インストラクター
- 日本新生児育成医学会 会員
- 日本周産期・新生児医学会認定 周産期(新生児)専門医・指導医
主任医師 市地 さくら
- 日本小児科学会認定 小児科専門医
主任医師 衛藤 恵理子
- 日本小児科学会認定 小児科専門医
嘱託医 出羽 航大
- 日本小児科学会 会員
- 日本周産期・新生児医学会 会員
嘱託医 樋口 龍之介
専攻医 郡 奈央
- 日本小児科学会 会員