小児外科

小児外科について

大分県立病院小児外科のホームページをご覧いただきありがとうございます。
小児外科は、日本では欧米から約20年遅れ1950年前後から始まったまだ歴史の浅い診療科ですが、先達の熱意と血の滲むような努力によりその後急速に進歩し、現在では欧米をしのぐほどのレベルに達しました。

私たち小児外科医は小児外科患児が病気のない子供たちとできるだけ変わらない日常生活を送れるよう日々診療に励んでいます。

診療分野

診療科の特徴

小児外科は生まれたばかりの赤ちゃんから15歳(中学校3年生)までの、外科的な病気を治療する科です。

日本小児外科学会はこどもの外科的な病気は小児外科医が治療すべきであると、外科系診療科の中で最も早く認定医(現在、専門医)制度を立ち上げ現在に至っています。小児外科専門医になるためには日本外科学会の外科専門医を取得した上で、小児外科に関する筆記試験、また一定数以上の小児外科手術の経験だけでなく、小児外科に関する学会発表や論文発表などの学術的な実績も必要です。

診療体制

当科は日本小児外科学会から小児外科の専門診療を行うことを認められた大分県で唯一の教育関連施設で、現在常勤医3名で診療しております。

診療内容

小児外科で扱う病気

(一部の高難易度手術を要する疾患は、九州大学病院などの他院と連携して診療しています。)

新生児期

先天性横隔膜ヘルニア、食道閉鎖症、先天性腸閉鎖症、ヒルシュスプルング病、鎖肛、消化管穿孔、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、腸回転異常症など

乳児期

鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、肥厚性幽門狭窄症、食道裂孔ヘルニア、腸重積症、ヒルシュスプルング病、胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、リンパ管奇形、良性腫瘍、肛門周囲膿瘍、便秘症、腹部外傷、消化管異物など

幼児期

鼠径ヘルニア、陰嚢・精索水腫、停留精巣、包茎、臍ヘルニア、急性虫垂炎、食道裂孔ヘルニア、良性腫瘍、腹部外傷、消化管異物など

学童期

鼠径ヘルニア、陰嚢・精索水腫、急性虫垂炎、腹部外傷、卵巣腫瘍など

腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術

2024年3月末までに1,216件行いました。
この方法はヘルニアが出た側と反対側の穴が開いているかどうかが確認できるため、反対側のヘルニア発症の予防になります。これまで手術した児の反対側の穴が開いている確率は約40%で、開いている場合にはヘルニアの出ていた方と同様に穴を塞ぎます。

腹腔鏡下虫垂切除術

2024年3月末までに393件行いました。
虫垂炎の程度に応じて、腹腔鏡で見ながら虫垂を引き出し、虫垂を切除する単孔式虫垂切除術や、お臍と1~2本ポートを追加して行う従来から行われる腹腔鏡下虫垂切除術を使い分けて実施しています。
一方、虫垂炎が進行し、穿孔を起こした結果膿の溜りができている場合(膿瘍形成虫垂炎)は、抗生物質と場合により膿を抜く管を入れ(ドレナージ)炎症をおさえ、約3ヵ月後に虫垂切除(待機的虫垂切除)を行うことで手術後の合併症がきわめて少なくなっています。

傷の目立たない赤ちゃんの手術

生まれつきの腸の病気は、以前はお腹を横に切って手術をしていましたが、大きな傷が残るのが欠点でした。最近、お臍の外周に沿って半円周状に切開して、病変部を引き出して手術することが可能になりました。傷が目立たないため成長しても手術の傷でコンプレックスを持たなくて済むと思います。

お臍の病気

でべそ(臍ヘルニア)が代表的な病気ですが、臍の緒がとれたあともジクジクして、お臍が乾かない場合お臍と腸(臍腸管遺残)、お臍と膀胱(尿膜管遺残)がつながっていることがあり手術が必要です。

小児外科手術の全国登録について

一般社団法人National Clinical Database(NCD)においては、日本全国の外科手術症例の全数把握を目的としたデータベースを作成しており、当科においても登録を行っております。
これは、全国レベルで医療の質を上げることを目的とした事業で、何卒ご理解、ご協力をお願い致します。

もし、登録にご賛同いただけない場合は主治医までご連絡下さい。
詳細は下記をご参照下さい。

診療実績

外来担当医表

新患 伊崎 智子いざき ともこ 千葉 史子ちば ふみこ 皆尺寺 悠史かいじゃく ゆうし(第 1.3)
千葉 史子ちば ふみこ(第 2.4)
伊崎 智子いざき ともこ(第5)
休診
(手術日)
皆尺寺 悠史かいしゃくじ ゆうし
再来 ※当番制 伊崎 智子いざき ともこ 皆尺寺 悠史かいしゃくじ ゆうし
 
休診
(手術日)
千葉 史子ちば ふみこ

夜間、休日はオンコール体制で救急患者さんに対応しております。 ※月曜日は当番制です。

スタッフ紹介

部長 伊崎 智子

  • 日本外科学会認定 外科専門医
  • 日本小児外科学会認定 小児外科専門医
  • 日本小児血液・がん学会 会員
  • 日本小児救急医学会 会員
  • 日本小児泌尿器科学会 会員
  • 日本臨床外科学会 会員

副部長 千葉 史子

  • 日本外科学会認定 外科専門医
  • 日本小児外科学会認定 小児外科専門医
  • 日本小児血液・がん学会 会員
  • 日本内視鏡外科学会 会員
  • 日本小児泌尿器科学会 会員
  • 日本血管腫血管奇形学会 会員
  • 日本臨床栄養代謝学会 会員
  • 日本外科代謝学会 会員

主任医師 皆尺寺 悠史

  • 日本外科学会認定 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 学会認定専門医
  • 日本小児外科学会 会員
  • 日本救急医学会 ICLSインストラクター
  • 日本内視鏡外科学会 会員
  • 日本臨床外科学会 会員
  • 日本消化器内視鏡学会 会員

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