診療科・診療センター
泌尿器科
泌尿器科よりお知らせ一覧を見る
- 2023年07月31日
- 県病医療ニュース(2023年8月号 第181号)を掲載しました
泌尿器科について
大分県立病院泌尿器科のWebサイトをご覧いただきありがとうございます。
当院の泌尿器科は、スタッフ4名で泌尿器科疾患全般を取り扱っております。
われわれの使命は、大分県民の皆様のため安心・安全で質の高い泌尿器科医療を提供することです。患者さんの視点を常に重視し、わかりやすい説明を行うことを心がけています。
以下の3点が当科の特徴です。
- 総合病院としての特徴: 外科、心臓血管外科、麻酔科、消化器、循環器、呼吸器、内分泌代謝、腎臓内科などの充実したスタッフと連携し、様々な合併症を有する高齢者などに対しても十分な検討を行った上で高度な泌尿器科医療を提供しています。
- 低侵襲手術の推進: 特に力を入れている点として、体の負担の少ない内視鏡手術が挙げられます。2017年に4Kシステム(55インチモニター)、3Dシステム、Flexibleスコープを含めた最新の内視鏡手術システム、2023年にはロボット支援手術を導入し、腎臓がん、腎盂尿管がん、前立腺がん、膀胱がん等の悪性腫瘍だけでなく水腎症などの良性疾患に対しても質の高い低侵襲手術を提供できる体制も整っています。
- 幅広い泌尿器科疾患への対応: 当院は、骨盤臓器脱、尿失禁などの女性泌尿器科疾患や膀胱尿管逆流症、先天性水腎症などの小児泌尿器科疾患に対する治療も行っておりほとんどの分野の泌尿器科疾患に対し対応しております。
皆様の変わらぬご支援をお願い申し上げますとともに、何かお気付きの点やご要望などございましたらお気軽にお声をおかけください。
診療分野
泌尿器科の紹介
当院泌尿器科は月・火・木曜日が手術日で外来は新患、再診の両方とも月・水・金曜日に診察を行っております。
泌尿器科の担当する疾患・分野は幅広いのですが、ほぼ全疾患の診療をできるように努力しております。以下に代表的な疾患についての簡単な紹介をさせていただきます。
当院泌尿器科における特徴①
- 腎がんについては腎温存療法としての腎部分切除術と低侵襲である腹腔鏡下手術ならびにロボット支援手術を行っております。
- 進行膀胱がんに対しては、膀胱摘出が必要になることがありロボット支援手術を主に行っております。
- 尿路変向術にストーマの必要ない代用膀胱造設術も行っております。
- 手術による根治が不可能な場合、もしくは再発した場合は抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬等による薬物治療や放射線治療も行っております。
当院泌尿器科における特徴②
- 前立腺がんに対してはロボット支援手術を行っております。
- ホルミウムレーザーによる、あらゆる尿路結石に対する手術療法を行っております。
- 小児泌尿器科疾患も腹腔鏡下手術を含め積極的に加療を行っております。
診療内容
1.腎がんについて
- 最近健診や検査で偶然発見される腎がんが増加しています(約75%)。
- 治療の基本は手術となります。
- 当科では、腎機能温存のため、小さな腎がん症例に対して積極的に低侵襲なロボット支援腹腔鏡下腎部分切除を行っております。
- 部分切除できない場合は低侵襲な腹腔鏡下もしくはロボット支援腹腔鏡下腎摘除を行っております。
- 転移のある進行腎がん症例に対しては、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬による治療も積極的に行っております。
2.腎盂尿管がんについて
- 腎盂尿管がんは、肉眼的血尿が発見契機となる場合が多い疾患です。
- 腎盂尿管がんでは治療は手術による病巣の摘出が基本であり可能であれば腹腔鏡下もしくはロボット支援腹腔鏡下手術を行います。早期に発見できれば予後は良好ですが進行がんに比較的なり易く迅速な対応が必要です。
- 根治的治療である腎臓と尿管を摘出することが困難な患者さんに対してはレーザーを用いて腫瘍のみ摘出することも行っておりますが患者さんの病状やご希望により術式は決定しております。
- 転移や再発が認められる場合は、抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬などを使った化学療法を行う必要があります。
3.膀胱がんについて
- 膀胱がんは、腎盂尿管がん同様肉眼的血尿が発見契機となる場合が多い疾患です。
- 膀胱がんでは経尿道に腫瘍切除を行い、表在性(早期)がんであれば経過を見ますが、浸潤(進行)がんの場合は膀胱摘出術が必要になることもあります。膀胱摘出術に関してはロボット支援腹腔鏡下手術と開腹手術の両方を行っており、患者さんのご希望や病状により術式は決定しております。
- 転移が認められる場合は、抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬などを使った化学療法を行う必要があります。
- 膀胱上皮内がんに対してはBCGを用いての治療を行う必要があります。
尿路変向手術について
1)回腸導管手術
2)代用膀胱造設術
4.前立腺がんについて
- PSA(前立腺特異抗原)採血・エコーにて前立腺がんの検診を行っております。
- 前立腺がんが疑われる方に対しては、前立腺生検(1泊2日)が必要になります。
- 限局性前立腺がん(早期がん)である場合、前立腺摘除術・放射線療法による根治治療をお勧めしています。
- 転移が認められた進行がんの方にはホルモン治療、抗がん剤治療を組み合わせて治療を行っております。
- 当科では、手術を行うにあたってロボット支援手術を主に行っております。
5.ロボット支援手術について
- 傷口が小さく術後の回復が早いこと、出血量が少ないこと、周術期合併症の発生頻度が低下することが従来の開腹手術より利点といわれております。
- 併存疾患によっては手術の適応にならない場合もあります。
- 手術支援ロボットには視野の鮮明さ、集中力の持続するデザイン、人の手を超えた可動域といったメリットがあります。
- 現在当科では前立腺がん、腎がん、腎盂尿管がん、膀胱がんといった悪性腫瘍手術と水腎症に対する手術をロボット支援手術で行っております。通常の腹腔鏡下手術との使い分けは患者さんの希望、お持ちの病気などを含め相談して決定しております。
6.尿路結石について
- ホルミウムレーザーを導入しており経尿道的尿管結石砕石術(TUL)、経皮的腎結石砕石術(PNL)、経皮・経尿道併用内視鏡手術(ECIRS)、経尿道的膀胱砕石術と、すべての部位の尿路結石の治療を行っております。
- 従来広く行なわれてきた体外衝撃波結石破砕術(ESWL)に比べ一度の治療で結石が消失する可能性が向上しております。
- 体外衝撃波結石破砕術を行う器械は当院にはございませんのでこちらの治療をご希望される際は他施設へ紹介させていただきます。
7.先天性水腎症について
- 先天性水腎症とは先天的に腎臓と尿管のつなぎ目に異常がある状態で500-1000人に一人の割合で起こるといわれております。
- 症状としては有熱性尿路感染症、疼痛があり、これを繰り返すとき、もしくは腎臓の機能が悪くなる時に手術を行うことになります。
- 手術は腹腔鏡下手術と開放手術のいずれも行っておりますが年齢や病状に応じて適応を決定しております。入院期間としては一週間くらいが必要です。
8.膀胱尿管逆流症について
- 膀胱尿管逆流症とは腎臓から膀胱、尿道への尿の流れは通常は一方通行ですがこれが逆流を起こす疾患のことです。
- 頻度としては出生100人に1人程度といわれており原因としては膀胱と尿管のつなぎ目に異常があること(一次性)と膀胱からおしっこを出す機能に異常があること(二次性)があります。
- 手術適応になるのは一次性のことが多い状況で状況次第で尿道から注入剤を注入して治療すること、下腹部に5 cm程度の切開で手術を行うこと、体の大きなお子さんでは腹腔鏡を用いて手術することがあります。
9.腹圧性尿失禁について
- 咳・くしゃみ等で尿漏れのある方が、腹圧性尿失禁の可能性があります。
- 骨盤底筋体操で効果のない方が手術適応となります。
- 当科では、女性の腹圧性尿失禁に対するスリング手術(TVT・TOT)も行っており、改善率は90 %程度と良好です。
手術時間:30-60分
入院期間:5日間程度
診療実績
外来担当医表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
新患 | 担当医 | 休診 (手術日) |
担当医 | 休診 (手術日) |
担当医 |
再来 | 友田 稔久(午前) 長沼 英和(午後) |
休診 (手術日) |
友田 稔久 長沼 英和 三浦 章成 |
休診 (手術日) |
友田 稔久 長沼 英和 鮫島 立 |
医師の指名はできません。当日の担当医となりますので、ご了承下さい。
スタッフ紹介
部長 友田 稔久
- 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医・指導医
- 日本泌尿器内視鏡学会 会員
- 日本泌尿器内視鏡学会認定 泌尿器腹腔鏡技術認定医
- 日本内視鏡外科学会 会員
- 日本内視鏡外科学会 技術認定(泌尿器腹腔鏡)取得
- 日本ロボット外科学会 会員
- 日本癌治療学会 会員
- 日本泌尿器腫瘍学会 会員
- 日本排尿機能学会 会員
- 日本女性骨盤底医学会 会員
- 日本小児泌尿器科学会 会員
- 日本ミニマム層創泌尿器内視鏡外科学会 会員
- 日本老年泌尿器科学会 会員
- 医学博士
- 大分大学医学部臨床教授
副部長 長沼 英和
- 日本泌尿器科学会認定 専門医・指導医
- 日本泌尿器内視鏡学会 会員
- 日本泌尿器腫瘍学会 会員
- 日本癌治療学会 会員
- 医学博士
主任医師 三浦 章成
- 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
主任医師 鮫島 立
- 日本泌尿器学会認定 泌尿器科専門医
- 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 会員
- 日本泌尿器腫瘍学会 会員