患者さんに安全で安心できる薬物療法を受けていただくため、調剤業務、医薬品管理業務、院内製剤業務、無菌調製業務、医薬品情報管理業務、服薬指導業務を通じて、医薬品の適正使用と適正管理に取り組んでいます。
また、がん治療、緩和ケア、感染制御、栄養サポート、認知症ケア、褥瘡対策等の多職種によるチーム医療へも積極的に参画しています。

内服薬・外用薬・注射薬の調製を行います。
調剤は薬剤師の基本として最も重要な業務です。
処方箋の記載内容を精査し、必要に応じて処方医に疑義照会をしています。
その後、調剤内規に基づいて調剤し、最終監査として、さらに処方の内容、調剤した内容をチェックしたうえで、患者さんにお渡ししています。
その際、電子カルテ・各種システムを利用して適切な調剤を行っています。

麻薬を処方する医師が２名以上いる病院に必要な「麻薬管理者」は薬剤師が免許を取得して、麻薬及び向精神薬取締法に従い、麻薬や向精神薬を適正に保管・管理をしています。

薬剤部では多くの種類の薬剤を取扱っています。
それらの薬剤を常に適切な状態で提供できるように、温度や湿度の管理や、有効期限をチェックするなどし、在庫管理を実施しています。
薬剤部内だけでなく、外来・ICU・手術室・病棟等にも、治療や処置に必要な薬剤を配備しているため、それらの薬剤の管理も薬剤師がチェックしています。

市販されていない特殊な内服薬や外用薬等について、医師からの申請に基づき、治療に対する必要性・安全性・有効性を審査した上で調製しています。

抗がん剤のレジメン管理、適正使用のチェック及び無菌調製

抗がん剤は投与量、投与回数、休薬期間、副作用を抑えるために必要な薬剤を時系列的投与順に規定した「レジメン」に従って投与が行われています。がん化学療法運営員会に申請されたレジメンを委員会審査の前に薬剤師がチェックしてあらかじめ投与内容の精査を行う等、相談窓口としての機能も果たしています。さらに、当院で使用される全ての抗がん剤は、安全キャビネット内で適切な器具を用いて調製することにより、無菌的で安全な薬剤を提供しています。

外来がん患者指導

がん薬物療法の進歩により、住み慣れた自宅で生活をしながら、入院せずに外来通院でがん治療を受けることができるようになってます。
入院時と同様外来においても、がん専門の知識を持つ薬剤師が患者さんに対し、安全かつ効果的な治療が受けられるよう効果や副作用等の説明を行います。
また、必要と判断した場合には主治医に対し、副作用軽減のための薬剤の提案も行っています。

厚生労働省や製薬企業等から提供される医薬品に関する最新の情報を収集し、必要に応じて医師や看護師、患者さんへ情報を提供することが主な仕事です。
また、緊急性を要する情報に関しては、医師や看護師等に電子カルテシステム上で情報共有し注意喚起を行うことで、安全な処方に貢献しています。

医師からの依頼を受け、入院患者さんを対象に服薬指導を行っています。 患者さんが服用しているお薬の説明書を作成するなどして、お薬の作用･飲み方･使い方等を説明しています。
患者さんのアレルギーや副作用等を確認し、医師の治療方針に基づいた、より適切な治療を患者さんが受けられるように努力しています。

治験（ちけん）とは、新規の医薬品の承認取得のために行われる、「くすりの候補」として選ばれた物質を協力者に投与し効果と安全性を確認する臨床試験のことです。
治験担当医師・薬剤師・看護師・治験コーディネーターを中心に、治験の倫理性、安全性、科学性及び信頼性を確保し、治験に参加される協力者をしっかりサポートする体制を整えて治験を実施しています。

チーム医療とは一人一人の患者さんに対し、多職種の医療スタッフがチームを組み、お互いの専門性を尊重し、最大限の能力を引き出し合うことによって最善の治療を行う医療現場の取り組みです。
当院の薬剤師は医療チームの一員として、専門性を発揮し、より適正な薬物療法を行えるよう活動しています。

薬学生6年制実務実習； 薬学生を11週にわたり受け入れ、「実務実習モデル・コアカリキュラム」に従った実習計画を立て、参加型の実務実習を行っています。

令和6年5月1日現在　薬剤師 27名（常勤22名、会計年度任用職員4名）、薬剤部アシスタント9名