放射線技術部

放射線技術部について

 放射線技術部は、X線撮影、CT、MRI、血管造影、核医学検査、放射線治療などの部門で構成されており、各診療科が必要とされる診療に必要な医用画像の提供や、放射線治療などの診療に従事しています。

 日々進歩、高度化する放射線技術に対応するため、より高度な技術や専門知識が求められます。放射線技術部では、医療器機器の更新を行い、磁気共鳴専門技術者や放射線治療専門放射線技師など、部門ごとに認定・専門資格を有した技師を配置し、より質の高い医療を提供できるよう取り組んでいます。

今後も、県民の皆様の望まれる安全で安心な医療を提供できるよう努めてまいります。

主な業務内容

X線撮影

 主に骨折・肺炎等の診断のためのX線撮影です。

 X線撮影装置は2019年に全てフラットパネルシステムに更新され、従来に比べて少ないX線量で高画質な画像での診断が可能となりました。
 また、撮影後すぐに画像の確認ができるようになり、検査時間の短縮や検査時間にかかる患者さんの負担が軽減されています。

 また、同じく歯科用撮影装置も更新し、従来までの歯列全体を一枚に描出する「パノラマ撮影」に加え、歯科専用のCT検査が可能になり、対象とする歯の周囲をより鮮明に詳しく描出できます。

乳房撮影

 乳がん診断のためのデジタルX線撮影です。
 最新のフラットパネルディテクタ(FPD)搭載デジタルマンモグラフィー装置を運用しています。
 またマンモトーム(乳房内組織生検装置)によって疑わしい箇所の生検(針を刺して組織を採取し検査する)を行うことができ、小さな傷で患者さんの負担も少なく正確な診断ができます。
 これにより早期発見、早期治療が可能となりました。

 なお、当院は「NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構」から精度管理の線量・画質基準を満たす検診施設として認定を受けています。

骨密度測定検査

 骨密度測定とは骨の強度測定のことです。
 閉経後の女性に多いとされる骨粗鬆症の診断に有効です。
 骨粗鬆症は、加齢と共に骨の量が減少し腰椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などを引き起こしやすくなります。

 装置更新により、従来の腰椎に加え大腿骨頸部の測定も行うことが可能になりより正確な診断に役立てています。
 検査は台の上に15分程度寝るだけで測定できます。

CT検査

 CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影法)は、X線を使用して体内の様子を画像化する検査です。当院では3台のCT装置が稼働しています。

 2020年4月より2台が導入されたGE社製Revolution CTでは16cmの範囲を最短で0.28秒の撮影可能であるため、心臓の動きに合わせた撮影や息止めが難しい患者さん(小児など)の撮影に有用です。 また、同時に2種類のエネルギーのX線で撮影を行うデュアルエナジー撮影を使用することで、通常のCT検査で得ることのできない物質の同定・分別ができ、診断に有用な情報を提供することができます。

 2022年1月より新たにCT装置1台がCanon社製Aquilion Prime SPに更新されました。これに伴い、検査室の1部屋を感染症にも対応できるように改装しました。新たな検査室では特別な空調設備により、空気感染を起こすウイルスや細菌(COVID-19など)を室外に逃がさないようにすることが可能となりました。感染対策も含め、安心して検査を受けていただけるような環境作りにも努めています。

MRI検査

 MRI検査(Magnetic Resonannce Imaging:核磁気共鳴画像)は、磁場と電波を利用して人体のあらゆる角度の断面を画像化する検査です。当院では2台のMRI装置が稼働しています。

 強い磁場を持った装置で、急性期の脳梗塞の診断や、造影剤を使用せずに脳動脈瘤を発見する頭部検査等、全身の診断に大きな威力を発揮しています。
 患者さんの状態(ペースメーカー・体内に金属がある方など)によっては検査ができない場合がありますので、事前にお知らせください。

シネMRI動画(心臓)

血管造影検査

 血管造影検査(アンギオグラフィー)とは、腕や足の血管から細い管(カテーテル)を挿入し、造影剤で血管を撮影する検査です。この検査により、動脈瘤や血管の狭窄等の大きさや位置を確認することができます。
 さらに、血管内治療(IVR)では、心筋梗塞や脳梗塞、動脈瘤や出血等に対して、外科的手術を行うことなく低侵襲で治療することができます。

 また、肝細胞癌等では、腫瘍への栄養血管までカテーテルを進め、そこから直接抗癌剤や塞栓物質を注入する治療も行っています。

 当院では現在、頭・腹部用血管造影装置1台、循環器用血管造影装置1台の計2台が稼動しております。

 医師や看護師、その他医療技術職スタッフと連携し、患者様へ安心できる医療の提供に努めます。

RI検査

 RI検査(Radio Isotope:放射性同位元素)は、放射線(ガンマ線)を放出する薬品(放射性医薬品)を体内に投与して、体外から特殊なカメラで撮像する検査です。
 投与された放射性医薬品は目的の臓器や器官に集まる特性があり、臓器の形や血流、機能を画像化することができます。

 検査の種類によりますが、投与直後や、数時間後、数日後に検査を開始するなど様々で、検査を当日に2回以上行う場合もあります。

 放射性医薬品からでる放射線は少量で、時間とともに減少し、早いものでは数時間、遅いものでも数日の半減期(放射線を放出する能力が半分になる時間)で弱くなります。
 さらに排尿・排便により速やかに体外へ排出されます。

 RI検査に関してご不明な点がありましたら、スタッフへお気軽にお尋ねください。

放射線治療

 放射線治療はX線・電子線という種類の放射線を使ってがんを治療します。 放射線治療では手術と同等の効果を得ることが可能です。

 治療にあたってはCT画像を利用して、治療計画装置にて照射方法を決定します。 治療はミリ単位で位置を調整し正確に照射しています。

 治療部位によっては高精度放射線治療を行なっており、正常な組織への影響(副作用)を極力少なくし、目標部分には最大の治療効果を得ることが可能です。

スタッフ紹介

  • 診療放射線技師 26名(正規職員22名、会計年度任用職員4名)

  • 受付業務担当職員 4名(嘱託)

資格取得者

  • 第1種放射線取扱主任者:6名
  • 博士:1名
  • 修士:6名
  • 医学物理士:2名
  • 放射線治療専門放射線技師:3名
  • 放射線治療品質管理士:3名
  • 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師:5名
  • X線CT認定技師:4名
  • 磁気共鳴専門技術者:2名
  • 日本血管造影・インターベンション専門診療放射線技師:1名
  • 画像等手術支援認定診療放射線技師:1名
  • 第1種作業環境測定士(放射性物質):1名
  • 医療安全管理者:1名

この記事はお役に立ちましたか?

お問い合わせはこちら

気になるキーワードを入力してください。