この度は、食事に関する貴重なご意見をいただき、大変ありがとうございました。
　まず、味付けについては、「おいしい」というご意見も多数いただいておりますが、病状や治療内容によって、あるいは慣れ親しんだ家庭の味や嗜好と異なるものが出されることにより「おいしくない」と感じる方が少なからずおられることは承知しています。食事は、毎食、医師・管理栄養士が「検食」を行い彩りや量、味付けなどを確認し、患者様からの意見と合わせて改善を行うようにしていますが、まだまだ工夫・改善の余地はあると思っています。
　献立については、当院は、６週間を１サイクルとしたサイクルメニューを実施しており、年間を通じては、季節の食材や行事食を取り入れることで変化を持たせていますが、同じ曜日に入院を繰り返される患者様にとっては、同じメニューになってしまっています。サイクルの増減を検討中で、新メニューも適宜取り入れていきたいと考えているところです。また、常食（一般的な食事）の主食は、基本は米飯で、木曜日の朝はパンに、検査による「延食」の少ない土曜日の昼はめん類にしています。パンは、地元のパン屋から納入しており、他のいくつかの病院に納品されているものと同じです。患者様からの評判は良いのですが、お口に合わない方もおられると思います。種類は、６週のうち５回が食パンで、１回がロールパンとレーズンパンの組合せです。物価高や食品ロス問題など昨今の諸事情によりレーズンパンの回数を減らしたため、バリエーションが少なくなってしまい、申し訳なく思います。主食は、常食に限らず治療上問題がなく（例えば、塩分制限の必要性がない）、医師の許可があれば、食パンや、昼夕であればうどんかそうめんを提供することができますので、担当の医師や看護師にご相談ください。スープは、木曜日の朝と、献立によっては夕食に提供してるほか、常食で朝の主食を食パンにした場合、味噌汁の代わりに提供しています。朝は、ホテルのバイキングで提供される業務用のものを日替わりで使用していますが、こちらも、お口に合わない方がおられるかもしれません。飲食店の中には、ワンコイン（５００円）でおいしい定食が食べられるところもあると思いますが、塩分や栄養価を考慮しなくてよい飲食店と、毎日の食事として、また治療の一環として１日３食提供する病院食は意味合いが異なりますので、単純に比較できないことをご理解いただければと思います。
　最後に、病院は、個々の病態に応じた何十種類もの食種を、大量に、衛生面に配慮して安全に提供することが基本であり、作業手順を考えて調理しています。一方で、病院食は、疾患の治癒や改善を目的に提供していますので、食べていただくことがなにより大事です。他の病院を視察してみてはどうかとのご意見をいただきましたので、訪問等により参考にさせていただきながら、患者様に変化の富んだ食事を少しでも美味しく召し上がっていただけるよう、今後も努力して参りたいと考えています。